なぜ性暴力被害者に公的機関が対応する必要があるのか
1)被害に遭われた方は相談できる場がありません
配偶者から暴力被害に遭った方に、相談先を訪ねた結果が、以下のグラフです
img01.gif
2009年3月「男女間における暴力に関する調査」より「しあわせなみだ」作成

最も多いのは「どこ(だれ)にも相談しなかった」で、52.2%を占めます。
次いで「家族や親戚」が20.4%、「友人・知人」が18.5%となっています。
公的機関(警察・男女共同参画センター・女性センター・配偶者暴力相談支援センター・法務局など)に相談した方は、すべてを合わせても5.0%に過ぎません。
相談しづらい内容だからこそ、公的機関が積極的に対応する必要があります。


2)被害に遭われた方は対応に満足しているわけではありません
配偶者から暴力被害に遭った方で、家族や親戚、知人・友人以外に相談した方に、対応について尋ねた結果が以下のグラフです。

img02.gif 

2008年9月「配偶者からの暴力の防止等に関するアンケート調査結果<概要>」より

最も満足度の高い福祉事務所でも、「満足」と「だいたい満足」を合わせた割合は71%、14%は満足していません。法務局は35%、警察は36%が「少し不満」もしくは「不満」と回答しています。
市民の相談窓口である公的機関の満足度を高める必要があります。

3)被害に遭われた方は安心して相談できる場を求めています
配偶者から暴力被害に遭った方に、公的機関に配慮して欲しいことを尋ねた結果が以下のグラフです。

img03.gif 
2008年9月「配偶者からの暴力の防止等に関するアンケート調査結果<概要>」より

被害に遭われた方が求めているのは、「安心して相談できるような施設・環境の整備(プライバシー保護など)」「いつでも相談を受けられる(相談窓口を増やす、相談受付時間を延長する、等)」「どこに相談すれば良いかわかる」ことです。つまり現在の公的機関の相談窓口は、被害に遭われた方にとっては「安心して相談できない」「いつでも相談を受け付けてくれるわけではない」「どこに相談すれば良いかわからない」場になってしまっていることが分かります。
公的機関側からの論理ではなく、被害に遭われた方側の論理で、支援が提供されることが求められます。

4)総務省から勧告が出されています
総務省は2009年5月に、「配偶者からの暴力の防止等に関する政策評価書」を出しました。


配偶者からの暴力の防止への取り組みについて、内閣府、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省に勧告が出されています
(1)通報および相談の効果的な実施の推進
▼通報を促進するための医療関係者への研修は、調査した27都道府県中15都道府県(56%)で未実施
▼46支援センター中、夜間や休日に相談を受け付けていないセンターが21ヶ所(46%)
(2)被害者の保護及び自律支援の充実
▼被害者の就業支援実績を示すデータが不整備
▼被害者の優先入居等をまったく実施していない事業主体が2ヶ所、一部しか実施していない事業主体が37ヶ所(全54ヶ所中)
(3)関連機関の連携の推進
▼支援センターを中心とした連絡協議会に、国の関係機関不参加が2ヶ所、市町村の関係機関不参加が2ヶ所、民間団体不参加が1ヵ所(全27ヶ所中)
▼関係機関の連携マニュアルを整備していないのは、調査した27都道府県中12都道府県(44%)

公的機関は総務省からの勧告に対応する義務があります。








XE Login