サバイバル行動

 

性暴力に遭った子どもの中には、一見不可解な行動をとる子どもがいます。

 

■異性との距離が近い

■援助交際や性産業に身を投じる

■誰にでも性的なアプローチをする

 

こうした行動に対して、私たちが受け取る印象は複雑です。

 

・なぜあんな嫌な思いをしたのに、自ら再び同じ体験をしようとするのだろうか

・本人があのような態度を取るから性暴力に遭うのも仕方がない

・性的接触を望んでいるのは本人だから、周りはどうしようもない

 

しかし子どもは、「生きのびるための手段」として、こうした行動を取っていることがあります。

これを「サバイバル行動」と呼びます。

 

■異性との距離が近い

→異性の親から性暴力に遭っている場合、「性関係を持たなければ異性と関係を構築できない」と思っている、もしくは性関係のない異性関係を知らない

→女性としての人権を尊重されてこなかった場合、権力を持つ男性に近づく「安心感」や、力のある男性のそばにいることで「自分に力がある」と思いたい、もしくは「男性に従う生き方」しか知らない

■援助交際や性産業に身を投じる

→望まない性的接触を経験している場合、自分から誘うことで、「主導権を握りたい」「男性の上に立てる快感を得たい」という感覚を持つ

→存在を大切にされてこなかった場合、性的接触を通じて「自分が必要とされている」ことを実感したい

■誰にでも性的なアプローチをする

→対人関係に不安がある場合、「こうすれば仲良くなれる」手段となる

→コミュニケーションに障がいがある場合、「それが性的アプローチである」こと、「性的アプローチを相手がどのように受け止めるか」を理解できていない

 

子どもにとっては、性暴力から回復するための「自分を守る」行動ですが、周りが受け止る印象とは、随分と乖離しています。

これが、周りの人が対応に苦慮し、当事者が自分を苦しめる原因でもあります。

 

なぜそのような行動を取るのか。

大人たちは、表面だけを見るのではなく、その理由を考え、寄り添う必要があります。






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