性暴力とは
加害者に関するデータ
「性暴力を起こす人は特別な人」という思い込みはありませんか?
実は加害者は、性に暴力を振るう時以外は、あなたと同じような生活をしています。
「平成27年度犯罪白書」では、第6編で「性犯罪者の実態と再犯防止」を取り上げ、加害者の状況と性犯罪者処遇プログラムを紹介しています。
あなたの周りの人を加害者にしないために、そしてあなたが加害者にならないために、是非加害者のことも知ってください。


(1) 加害者の就労状況
「強姦」と「強制わいせつ」を起こした加害者の就労状況は、以下のとおりです。



出典:「平成27年度犯罪白書」6-2-4-6図「強姦・強制わいせつ 入所受刑者の就労状況別構成比(初入者・再入者別,年齢層別)」より




「強姦」ならびに「強制わいせつ」で入所した受刑者のうち、63.3%が、有職者です。
つまり性暴力加害者は、「普通の社会人として働いている人」が半数以上。
一般的な犯罪像として思い浮かぶ「いかにも怪しそうなので働けない」「どこにいっても仕事がなくむしゃくしゃして」等とは全く異なるのです。

(2) 加害者の「精神・知的障がいの有無」と「婚姻状況」

「強姦」と「強制わいせつ」を起こした加害者の「精神・知的障がいの有無」と「婚姻状況」は、以下のとおりです。



出典:「平成27年度犯罪白書」6-2-4-5図 「強姦・強制わいせつ 入所受刑者の婚姻状況別構成比(年齢層別)」より





出典:「平成27年度犯罪白書」6-2-4-8図「強姦・強制わいせつ 入所受刑者の精神診断別構成比」より



「婚姻状況」を見ると、既婚が23.0%、離死別が30.7%と、婚姻経験のある加害者が半数を超えています。
また何らかの障がいを持つ加害者は9.9%。つまり90.1%は障がいを持たない加害者です。
結婚生活を営み、障がいもない「どこにでもいる人」が、加害者となっているのです。

 

(3) 加害者への「再犯率」と「科刑」
「強姦」と「強制わいせつ」を起こした加害者の再犯率は、以下のとおりです。


出典:「平成27年度犯罪白書」6-2-6-1図 「強姦・強制わいせつ 検挙人員中の再犯者人員・再犯者率の推移」より




また「科刑」(一審でどのような判決を言い渡されたか)は、以下のとおりです。

「平成27年度犯罪白書」6-2-3-1図 「強姦 通常第一審における有罪人員(懲役)の刑期別構成比の推移」より




「強姦」の加害者の再犯率は51.6%、「強制わいせつ」の加害者の再犯率は45.8%です(前科が強姦・強制わいせつ以外の罪である加害者を含む)。
一方で「強姦」により、5年以下の有期懲役を言い渡された加害者は57%。さらに執行猶予付き(定められた期間罪を犯さなければ刑務所に入らなくてよい)の判決を言い渡された加害者も、9.4%に上ります。

被害者は加害者との再会、そして再犯を恐れながら、その後の人生を過ごさねばならないのです。性暴力被害が、被害者の一生に深い傷を残し続ける出来事であることが分かります。

(4) 性犯罪処遇プログラム
日本では2006年度から、加害者の再犯防止のため、「刑事施設における性犯罪再犯防止指導」に基づく性犯罪処遇プログラムを実施しています。それまでは全国統一的・標準的なプログラムは存在していませんでした。
プログラムは、刑事施設内の者を対象に行われる「矯正」と、仮釈放時、保護観察付き執行猶予者を対象に行われる「保護観察」があります。

【矯正】
矯正期間においては、性犯罪者は再犯リスクや処遇ニーズに応じて、以下のプログラムを受講します。
(1)自己統制…自己を統制し、性犯罪を防ぐ
(2)認知のゆがみと変容方法…性犯罪の背景となっている認知のゆがみ(性関係において「少しくらいなら大したことがない」「被害者にも悪いところがある」など)を修正する
(3)対人関係と親密性…円滑な人間関係を築くスキルを身に付ける
(4)感情統制…感情を統制し、性犯罪を防ぐ
(5)共感と被害者理解…他人に対する共感性や被害者に対する理解を深める

【保護観察】

性犯罪を行った者、犯罪の原因・動機が性的欲求に基づく者については、仮釈放者、保護観察付き執行猶予者全員に対して、以下のプログラムを実施します。
1)性犯罪のプロセス
2)認知のゆがみ
3)自己管理と対人スキル
4)被害者への共感
5)再発防止計画

また「指導強化プログラム」として、再犯の兆候を速やかに把握して的確な対応をとるため、保護観察官は加害者の生活実態を詳細に把握し、指導助言を行います。
なお加害者の家族に対しては、「家族プログラム」が実施されます。加害者家族として必要な知識を伝え、サポートすることで、家族機能を高める事を目的としています。

なお、保護観察所において行われている本プログラムについて検証したところ、プログラムを受講した保護観察対象者のほうが、受講しなかった保護観察対象者よりも、再犯の発生率が有意に低いという結果が出ています。 詳細は法務省「保護観察所における性犯罪者処遇プログラム受講者の再犯等に関する分析結果について」をご覧ください。

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