【教育が性暴力をゼロにする】


■教育が性暴力をゼロにする

性教育の指標の1つとして、性感染症があります。
厚生労働省が毎年発表している「エイズ発生動向年報」によると、2011年度のHIV感染者は1,056件と過去4位、AIDS患者は473件と、過去最高となりました。このうち10~20代が占める割合は、HIV感染者は345件(32.7%)、AIDS患者は49件(10.4%)となっています。

またその他の性感染症についても、厚生労働省「性感染症報告数の年次推移」によると、2011年度の淋菌感染症は10,247件(うち10~20代4,968件・48.5%)、性器クラミジア感染症は25,682件(同14,898件・58.0%)、性器ヘルペスウイルス感染症は8,240件(同2,743件・33.3%)、尖圭コンジローマは5,219件(同2,391件・45.8%)となっています。

性感染症の原因は「性感染症を防げない性行為」です。

特定の相手とだけ性行為をしていても、相手が感染していれば、予防をしないことにより感染します。

一方で、不特定多数の人と性行為をしても、相手が感染していなければ、感染しません。

つまり、性感染症は、「性に対する道徳的な問題」ではなく、「性に対する正しい知識を持つ機会がない」、そして「性感染症を予防できない性行為が存在している」という問題です。
性感染症を予防できない性行為は、性暴力です。

性感染症という名の性暴力をなくすには、正しい知識を得る機会が必要です。
そこで、子どもたちに対する教育がポイントになります。
教育には

・性感染症や妊娠の知識を得ることで、HIVや望まない妊娠を防げる

・リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の考え方を理解し、「自分が大切な存在であること」、「嫌な事にはNoと言ってよいこと」を学び、騙されて性暴力に遭うことを防げる
といった、性暴力への直接的な働きかけだけでなく、
・知識や技術を身に付け、生産活動に加われるようになることで、性産業への就業を防げる

・自ら経済力を持てることで、早婚やDVの許容を防げる
といった要素もあります。

子どもたちに性に対する正しい知識を伝えるのは私たち大人の責任です。
現状は、学校で「性行為」という言葉が使用できないため、「自分はどうやって生まれてきたのか」「性感染症にならないためには」といったことが伝えられません。
知識のない中での無防備な性行為が、結果として、性感染症の拡大や望まない妊娠につながっています。
こうした姿を見た大人は、「自己責任」という名で、子どもに責任を押し付けています。
「子どもの人権は大人が守る」ことを自覚し、正しいことを伝えていく場が必要です。






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