【障がい者への性暴力】

■障がい者への性暴力
障がい者は、性暴力の当事者、そして加害者になるリスク双方を有しています。

【性暴力当事者になるリスク】

2012年に施行された「障害者虐待防止法(障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律)」では、虐待の1つとして「性的虐待」を定め、毎年件数を報告しています。 平成28年度の調査では、養護者(家族等)による性的虐待は65件(虐待全体の4.2%)、障害者福祉施設従事者等(施設職員やヘルパー等)による性的虐待は48件(虐待全体の12.0%)でした。 しかし、この法律では、加害者は「障がい者を介護している人」に限られます。そして報告されるのは、障がい者に対して起きている性暴力の、ほんの一部です。

DPI女性障害者ネットワークが実施した調査では、女性障がい者の35%が、性的被害を経験していることが分かりました。
また平成28年度に配偶者暴力相談支援センターに寄せられたDV相談106,367件のうち、障がい者からの相談は6,990件となっています。


障がい者が性暴力当事者になるリスクの背景として、以下が挙げられます。
・入浴や排せつなど、プライバシーにかかわる行為にも、他人の介助が必要
・加害者である介護者のケアがないと生きていかれない
・「障がい者は性的対象にならない」という思い込み
・「性的に寂しい思いをしている障がい者には、少しぐらい刺激を与えたほうがいい」という偏見
・障がいのため、それが性暴力であることに気付けない、もしくは気づいても訴えることができない
・障がいを訴えても「妄想や勘違いに決まってる」と、性暴力を認識してもらえなかったり、曖昧にされる

【性暴力加害者になるリスク】

「平成18年度犯罪白書」「性犯罪者の実態」では、精神障がいを持つ加害者は、犯罪類型別で4.2~17.0%、「知的障がい」を持つ加害者(知能指数70未満)は、同6.3~35.5%となっています。

障がい者が性暴力加害者になるリスクの背景として、以下が挙げられます。
・正しい性教育を受けていない中で、自らの性欲に対応した行為が、結果的に加害になる
・恋愛について学ぶ機会がなく、自分の好意を伝えようとした行為が、結果的に加害になる
・性についての相談先がほとんどない
・障がいのため、それが性暴力であることに気付けない
・加害を疑われた時、自身の状況を説明できない、もしくは信用してもらえない

社会が有する障がい者への差別・偏見が、性暴力の当事者・加害者を生み出す構造につながっています。

また2016年4月から、「障害者差別禁止法」が施行されました。
障がい者に対する差別を禁止し、共生社会の実現を求めています。

障がい者への性暴力をなくす責任は、非障がい者にあります。 あなたの自治体でも、是非取り組みを進めてください。




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