※先に、特定の人物が特定されない為に抽象的な文章であること、僕自身の意見が読者の気分を悪くさせてしまう様な意見も含まれてしまっている可能性があることをご了承ください。
▶︎はじめに
私は元パートナーが性被害にあった経験をもつ男性です。
その経験がきっかけで、私は様々な葛藤と苦しみを抱えて生きてきました。
性被害に関わる男性の声は、少ないことを知り、積極的にこの場を借りて発言をすることに決めました。
少しでも、私の経験談が誰かの癒しや生きる力になることを祈り、綴ります。
〜背景〜
元パートナーが性被害にあったという事実。
とある日、彼女からその事実を聞きました。
その事実を知った私は、どうしようもない無力感に襲われました。
自分の知らない間に、被害を受けていた彼女を救うことのできなかった無力感と目の前に立っている彼女の力になれない自分が憎くてたまりませんでした。
私は「彼女の力になれるくらいもっと強くならないと」そんな想いでいっぱいになり、周りのことがどうでもよくて、自分のこともどうでもよくなるほどに、彼女の為に生きようとしていました。
そんな想いは、彼女を守りたいという強烈な感情として現れてしまいました。
後に、そんな僕の姿を見た彼女は、「無理をしているあなたを見ているのが辛かった」そう教えてくれました。
彼女を想うあまり、そんな風に思わせてしまっていた事実を知りました。
彼女自身の存在が僕の事を苦しめている。
そんな風に思わせてしまったのかもしれません。
助けたいという強い気持ちが、彼女の重荷になっている様でした。
彼女自身、僕との関係に距離を取る様になり、僕自身も、彼女との関係に距離を置く事にしました。
▶︎後悔
僕は、彼女の力になりたいという気持ちを一人で悩み、抱えて苦しみました。
大切な人が性暴力を受けたという事実を知った事により、精神的に不安定になっている私が彼女のことを救えたでしょうか?
当然救う事など出来ませんでした。
先ずは自分が救われる必要がありました。
僕がカウンセリングを受けたのは、彼女から事実を知らされた半年後の事でした。
恐らくその時に、自分も一被害者という意識を持つ事ができました。
被害を受けたのは、彼女であり自分ではなかった為、被害者づらをするのが嫌でした。
でも実際自分は、苦しんでいました。
だから自分も性暴力被害者である事を認めました。
私は、彼女を救う前に、自分を救う事を考えるべきだったと後悔をしています。
被害を受けた彼女自身が1番辛いはず。
だから、男性である自分も辛い、苦しいと吐き出す事は、なかなか出来ませんでした。
彼女を救いたいと思っても、精神的にボロボロな私には、彼女の力になる事ができませんでした。
もしも僕と同じ様な立場の方は、必ず一人で抱え込まず、身近な頼れる方、カウンセリング、性暴力被害者支援センターに頼る事をして欲しいと思います。
「誰かを救う為には、先に自分を救う事」この時に学んだ教訓です。
▶︎男性の苦しみ
別に元々好きでもありませんが、友人と話す下ネタトークは、とても不愉快になり、恋愛トークをしようものなら、胸をえぐられる様な気持ちになりました。
大多数の世間の男性は下ネタが好きな生き物です。
僕のように下ネタが辛い方は、適当に笑って受け流すくらいが良いのではないかと思います。
▶︎被害の後に出来ること
起こってしまった被害はどうしても変えることは出来ませんが、大切なのはこれからどうするか?だと思っています。
私の場合は、ただじっとしているのは、とても辛い時間だった為、兎に角前に進む事にしました。
被害を受けた直後は自分が精神的に回復する事に努め、ある程度精神が回復した今は、こうして発信をして、少しでも性被害の支援に協力しようと考えて行動し、こういう深刻な問題を話せる友人を作る事もできました。
前に進み続ける事で、辛い気持ちは、少しずつ楽になって行きました。
過去を変える事は出来ませんが、未来だけは変える事ができます。
精神的にボロボロだった自分を変える事ができれば、過去に救えなかった元パートナーや同じ境遇の方々も救う事が出来るかも知れませんし、同じ様な被害を増やさない取り組みも出来る可能性があります。
なぜ元パートナーが、なぜ自分が被害者にならなきゃいけなかったのか。
悔しさはありますが、被害者の立場になったからこそ、性被害という社会の問題に目を向ける事が出来る様になったとも言えます。
性被害というものが起きない世の中をつくれる様に、私は、私のやり方、私のできる範囲で進み続けようと思っています。
▶︎希望
当時から約5年が経った今、性被害にあってしまった私の元パートナーがSNSで結婚と妊娠をしている事を知りました。
私自身、ずっと悩み苦しんでおりましたが、彼女が前に進んでいる姿をみて、なんだかとても安心し、辛い気持ちから解き放たれました。
彼女との関係性を修復する事はできていませんが、それで納得しています。
私自身も新たに誰かを愛す事によって過去に折り合いをつけることができました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
色んなご意見や感想等を頂けると大変嬉しく思います。
by 「HR」